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Channel: Consideration
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毒気のある流儀

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バロテッリの調子がいい。練習試合で活躍と思った矢先にスピード違反をし、試合の余韻を一気に吹き飛ばしてしまう。さらに、ミランへの愛情をアピールしたと思えば、レアル・マドリーを茶化して炎上騒ぎ。相変わらずSNSやメディアを通じて、毒気のある話題を振りまいている。それは計算されたものではなく、素の部分でただ自分が思っただけのアクション。思っただけの行動は、時には手の離れたところで制御不能になってしまう。素だからこそ想像以上の反響に戸惑い、「Why always me?」の名言が生まれている。バロテッリは試合には出なくても、魅せることを続けている。人に見てもらい、金を落としてもらうことで成り立つのがプロスポーツの世界。良いも悪いも目立ち付加価値を手にするのは、ショービジネスの常套手段だ。この流儀こそ「悪童」と呼ばれるバロテッリのスタイルだ。その一方、プレーで魅せた「神童」と呼ばれたバロテッリの姿はない。確かにミラノ・ダービーを前にして、チームが上げた3得点すべてに絡んだ。だが、活躍した試合は3部のチームを相手にサブメンバーでの練習試合。しかもそのころ、本来いるべきはずのイタリア代表がユーロ予選を戦っていた。ここまでの、公式戦出場数はゼロ。ゴシップ面での話題を、プレーで黙らせる機会すら失っている。かつてバロテッリは、ピッチ上にいるだけで何かが起きそうな期待感があった。短い期間で強豪どころのインテル、マンチェスター・シティ、ミランと渡り歩く。トラブルメーカーと言われつつも、行く先々でインパクトを残した。ただ唯一、昨季リバプールで過ごした1年が価値を大きく下げた。この1年は大きいのか、小さいのか。「戦術が合わなかったからだ」と相変わらずの流儀で本人は語っている。それでも、1年のつまずきは小さいものだったと思わせるにはまだ時間がかかりそうだ。ただ、少なくとも娯楽面での毒気は失われていない。そのことになぜか安心をしてしまう。やはり、バロテッリは調子がよさそうだ。

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